牧ヘルスケアグループ牧整形外科病院

疾患情報

2020.07.21 脊椎外科

骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折【脊椎外科】

骨粗鬆症について

骨粗鬆症は骨がもろくなり、骨折を起こしやすくなる病気で、現在、日本では1,100万人とも1,300万人ともいわれる患者さんがおられます。骨粗鬆症の原因は、主に加齢、生活習慣(運動不足、食生活、喫煙、飲酒など)が考えられていますが、女性の場合は閉経後のホルモンバランスの変化などがあげられます。また、リウマチや腎臓病、膠原病などでステロイドホルモンを内服している患者さんにも起こりやすいと考えられています。
骨粗鬆症が進むと、骨折が起こりやすくなりますが、特に多いのは、背骨、手首、股関節の骨折です。

脊椎圧迫骨折について

脊椎圧迫骨折は、背骨が押しつぶされて変形を起こす骨折でその主な原因は骨粗鬆症です。骨粗鬆症になると、しりもちはもちろん、くしゃみや不用意に重いものを持ち上げたり、体をひねったりの動作で背骨がつぶれることがあります。また、明らかなきっかけがなく、知らないうちにつぶれることもあります。

脊椎圧迫骨折の症状

骨折を起こすと、激しい腰痛や背中の痛みを起こしますが、痛みを感じない人もいます。安静にしていると痛みは治まることもありますが、つぶれた背骨の形は元には戻りません。つぶれた背骨をそのままほうっておくと、背骨のバランスが崩れ、背中が丸くなり、また次々に背骨がつぶれるおそれがあります。症状が進行すると、内臓の働きが悪くなることや、睡眠障害、活動性の低下を起こし、さらに骨粗鬆症が進むといった悪循環に陥ってしまいます。

 

脊椎圧迫骨折の治療法

① 保存的治療法

コルセットをつけて、痛みがある初期は安静にして徐々に歩行していく方法が一般的です。骨粗鬆症に対する薬物療法も同時に行います。現在では骨粗鬆症に使われる薬が大変進歩しており、種類もたくさんあります。どの薬が一番効くかどうかは個人差があり、主治医の先生とよく相談して決めてもらうことが大事です。

② 手術的治療法

背骨に金属製のねじや棒を入れて、固定する方法が一般的です。変形が強いままで骨が固まってしまった時や、不安定性が強い場合に選択されます。長期入院とリハビリが必要となります。変形をきたす(後弯変形)前に、保存的に治療しても骨癒合が得られないような患者さん(MRIでおおよそわかります)には外科的侵襲の少ない新しい治療法をお勧めします。

 

脊椎圧迫骨折の新しい治療法

Balloon Kyphoplasty(バルーンカイフォプラスティ)、略してBKPといわれる手術が2011年より日本でも施行可能になりました。この方法は米国で開発された手術法で、日本語訳はいいものがないのですが、バルーン後彎矯正術(こうわんきょうせいじゅつ)というのがわかり易いと思われます。これは皮膚の上から直径4mmほどの筒をつぶれた背骨に刺しいれ、そのなかを通して風船(バルーン)を背骨の中に入れます。風船をふくらませることにより、つぶれた背骨を元の形に戻し、風船を抜いたあとの隙間に骨セメントを充填します。手術は30分前後で終わり、その日のうちに座ることができます。入院期間も短くてすみ、早く痛みがとれるので、今後発展していく手術と考えられます。

手術の方法

手術は全身麻酔をして行ないます。ベッドにうつぶせに寝た状態で背中を2ヶ所(1cm程度)切開し、手術にはレントゲンの透視装置を使用します。

実際の手術

 

後弯変形があります。(術前)

変形が強いままで骨が固まってしまった時や、不安定性が強くBKPの方法で治療できない場合に選択します。昔は開胸するなど大きな侵襲で手術を行っていましたが、内視鏡下で変形した椎体ごと人工椎体に置換する方法です。

小さな皮切で内視鏡下に椎体置換を行っています。ナビゲーションで安全に手術を行うことができます。

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